レーシック合併症１

手術を受けた多くの方に現われる合併症

レーシック手術を受けると視力は格段に向上します。
ほとんどの方は、メガネやコンタクトレンズを手放し、快適な生活を送っています。
しかし、一部の方の中には、視力としては、１．０や１．５に回復しているにもかかわらず、見え方の質が低下するといった症状を訴える人もいます。視力は向上したが、画質が多少落ちたり、見え方の質が低下するといった症状です。もちろん、日常生活ではっきり自覚するような症例はありません。
しかし、強度の近視を矯正する場合には角膜を多く削らなければならず、このためこのような症状が出やすくなっているものと思われます。
ここではレーシック手術で術後よくある症状を紹介します。

レーシック合併症「目がしみる、異物感」

術後すぐは、麻酔がきれると、異物感やしみるような感じがあります。しかし、大半の方は翌日までにはなくなりますし、処方された点眼薬を点けることにより、症状は緩和されるので心配はありません。

レーシック合併症「見えにくさ」

術後すぐは、角膜の表面が荒れているため、かすんで見えます。半日すれば見えにくさは改善されます。

レーシック合併症「白目の出血」

フラップ（ふた）作成の際マイクロケラトームを眼に強く固定するため、白目の部分の血管が傷ついてまれに出血することがあります。
しかし、1～2週間程度で自然治癒します。

レーシック合併症「コントラストの低下」

微妙な濃淡の違いが区別つきにくくなるといった症例です。
日常生活では、はっきり自覚することはないようです。生活にはまったく支障はありませんが、病院で詳しい検査をすると症状が判定することがあります。
強度の近視を持っていた方に多い症状です。

レーシック合併症「夜間視力の低下」

日常生活に支障のでることはありませんが、昼間に比べて夜間や暗所で少し見づらくなることがあります。
夜間の車の運転に支障の出る場合があり、その場合は眼鏡をかけることで解決できます。

レーシック合併症「グレア・ハロ・スターバースト」

夜間、街灯の光などを見たときに感じる症状があります。
「グレア」
夜間、街灯の光などを見たときに、光がにじんでまぶしく感じられるようになる症状。

「ハロ」
光の周囲に光の輪が見える症状。

「スターバースト」
光が光源のまわりに放射状に滲むような症状。

手術直後から約半数の方がこれら夜間に出る光の症状を訴えます。特に手術直後は車のヘッドライトも眩しくなり、夜間の運転に支障をきたす場合もあります。夜間の運転をされている方は手術前に医師に相談することをお勧めします。
ほとんどの方は術後半年までに症状が改善、消失します。
しかし、中にはそのまま症状が残ってしまう方もいます。
「ハロ」「グレア」「スターバースト」はレーシックを受けたときにレーザーを照射した部分と、レーザーが照射されてない部分とで光りが乱屈折することで起こる現象です。
元々の瞳孔径が大きい場合は、少なからず「ハロ」「グレア」「スターバースト」が続く可能性があるようです。術前の検査で瞳孔の検査があり、瞳孔径の大きい方にはレーシック後の「ハロ」「グレア」「スターバースト」の可能性についての説明があることと思いますので十分医師にご確認ください。
また、瞳孔径が大きい方にはウェーブフロントレーシックという術式で受けることにより「ハロ」「グレア」「スターバースト」の症状を抑えることができます。

レーシック合併症「ドライアイ」

角膜にはたくさんの知覚神経が通っています。レーシックはこの角膜を削る手術です。手術の際部分的にこの神経を切断することになります。
これにより、術後２～３ヶ月は、涙液の分泌量が減少し、ドライアイの症状を訴える方が少なくありません。
これは一過性のドライアイで、時間とともに神経は再生しますので、次第に症状がなくなってきます。
手術後のドライアイの症状に対して人工涙液眼などの対策が必要となります。